この記事の内容
この記事では、無料の統計ソフト「JASP」を使って、
ウィルコクソンの順位和検定をたった30秒で実行し、
さらに効果量+基礎統計量+グラフ作成まで一気に行う方法をご紹介します!
ウィルコクソンの順位和検定はマン・ホイットニーのU検定ともいわれる、ノンパラメトリック検定の一つです。
よく似た名前のものにウィルコクソンの符号付順位検定というものもあります。名前は「ウィルコクソンの順位和検定」と「ウィルコクソンの符号付順位検定」でよく似ていますが、中身は別の物なのでご注意ください。
この記事ではウィルコクソンの順位和検定を扱います。
また、検定結果やグラフを外部出力する方法もあわせて紹介します。
🔍「そもそもJASPってなに?」という方は、こちらの記事をご覧ください。
▼ まずはこちらのキャプチャ動画をご覧ください!(約30秒)
このように、たった30秒でウィルコクソンの順位和検定+効果量+基礎統計量+グラフ作成まで一気にできます!
では、これから具体的なやり方を見ていきましょう。
全体の流れ
ここからは以下のような流れで行います。
- データの準備
- データの読み込み
- ウィルコクソンの順位和検定の実行
- 「効果量」「基礎統計量」「グラフ」の表示
1. データの準備
まず、検定に使用するデータを準備しましょう。
Excelなどで作成し、CSV形式で保存するのが簡単です。
用意するのは下のような形式のデータです。

JASPで必要なデータ構成(2列)
グループ列:どちらのグループか(例:A/B、group1/group2 など)
データ列:実際の数値データ(例:評価スケールのスコアなど)
💡注意点
CSVファイルで読み込む際、日本語や全角英数字は使用できません。
半角英数字で列名・データを記入してください。
列名は group や value に限らず、age、spo2、FIM など分かりやすい名前でOKです。
2. データの読み込み

JASPを起動したら、左上の「三」メニューをクリック。

「コンピューター」→ 保存先からCSVファイルを選んで読み込みます。
3. ウィルコクソンの順位和検定の実行
読み込んだデータで以下の操作を行います。
1.上部メニューの「t検定」をクリック

2.「独立したサンプルのt検定」を選択

3.右側の設定パネルで、グループ列をグループ化変数の枠に入れ、データ列を「従属変数」欄に入れます。「▶」ボタンでもドラッグアンドドロップでもできます。
データ枠の下の「スチューデント」のチェックボックスを外し、「マン・ホイットニー」にチェックを入れます。これでp値が出れば、検定自体は完了です。
出力された表のタイトルが「独立したサンプルのt検定」と表示されており、あれ?となるかもしれません。表の下に「注マン・ホイットニーのU検定」と表示されていればウィルコクソンの順位和検定がきちんと実行されています。


4.下部のオプションで以下をチェックして、効果量・基礎統計量・グラフを出力します。

これで即座に結果が表示されます!
▼ 検定結果やグラフの外部出力方法
📊 表を外部出力する場合
表のタイトルをクリック → 「コピー」を選択しPowerPointやExcelに貼り付けます。貼り付けた後に編集もできます。

📈 グラフを外部出力する場合
グラフのタイトルをクリック → 「画像を名前を付けて保存」を選択

🗂 結果をまとめて外部出力する場合
左の「結果」をクリック
メニューから「結果のエクスポート」を選び、
お好きなフォルダに保存します。

まとめ
初めて統計ソフトを使う方でも、スムーズに検定~出力まで行えます!
ぜひ一度、JASPの操作の簡単さとパワフルさを体験してみてください。
もし「うまくいかない!」という場合は、まず以下を確認しましょう:
✅ ファイル名や列名が半角英数字か?
✅ データ形式がCSV形式になっているか?
他の統計手法も試してみたい方へ
最後までお読みいただきありがとうございました
本ブログでは、JASPを使ったさまざまな統計手法のやり方をまとめています。初心者向けに手法別でわかりやすく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。
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