JASP統計実践(JASP・R・Python)

【たった60秒】初心者でもできる!JASPで重回帰分析+決定係数(R²)・調整済みR²+VIF+残差プロット描画

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【たった60秒】初心者でもできる!JASPで重回帰分析+決定係数(R²)・調整済みR²+VIF+残差プロット描画

今回は、**重回帰分析(Multiple Regression)**に挑戦してみましょう。JASPを使えば、たった60秒で以下の分析項目を一気に実行できます!この記事では複数の要因が、ある結果とどの程度関連しているかを探索する、というシナリオでやっていきます

✅ 重回帰分析の実行
✅ 決定係数(R²)・調整済みR²の確認
✅ 多重共線性の確認(VIF)
✅ 残差プロットの描画

「JASPってなに?」という方は、こちらの記事へ。
「ロジスティック回帰分析について知りたい」という方は、こちらの記事へ。

※この記事はJASP バージョン0.98.1で作成されています。

▼ まずはこちらのキャプチャ動画をご覧ください!(約60秒)


https://youtu.be/so3_uXm-xYE

このように、わずか1分で重回帰分析の実行からグラフ作成まで一気に可能です!


▼ 重回帰分析の手順

この記事では、次の流れで進めていきます:

  1. データを準備する
  2. JASPでデータを読み込む
  3. 「線形回帰」メニューを開く
  4. 目的変数と説明変数を指定する
  5. VIF、グラフ作成など必要なオプションを有効にする
  6. 結果を外部に出力する

データの準備

分析には以下のような形式のExcelファイル、csvファイルがおすすめです。列の1行目に変数の名前が入っていて、その下にデータが続いています。なお、今回使用するデータは機械的に生成した架空のものです。現実の患者特性や実態を反映したものではないため、ご注意ください。

  • 「目的変数」(FIM_discharge)と「説明変数」(age,FIM_onset,mmse_onset)を列に分けて記載します。このデータでは、退院時FIM(FIM_discharge)に、年齢・発症時FIM・発症時認知機能・年齢*発症時認知機能の交互作用がどの程度関連しているかを検討する、という形式で進めます。
  • 列名は 半角英数字で記述してください。
  • 交互作用項を使用する場合、説明変数を中心化(mean-centering)しておくと、主効果項と交互作用項の間に生じる見かけ上の多重共線性(VIFの上昇)を軽減でき、数値計算も安定します。

💡 日本語や全角文字はエラーの原因になるので避けましょう!


重回帰分析を実行

1,JASPを起動し、左上の「三」ボタン → 「コンピューター」からCSVファイルを開きます。

参照ボタンをクリックし、解析対象のファイルを開きます。

csvファイルの場合は以下のようなダイアログが開きます。

特別問題がなければ、Loadをクリックして進めます。

設定によってはcsvファイルのデータの区切りが「,」ではないことがあります。

その時は、適切な区切り文字を選択して、データが正しく読み込まれるようにしてください。

問題なくデータが読み込まれるとこのように表示されます。

メニューバーの「回帰」から、伝統的の側の「線形回帰」を選択します。

解析対象の変数を指定していきます。

オプションの設定

多重共線性の確認に必要なVIFや信頼区間、プロットなどを指定していきます。

変数間の関連性を探索するのが目的であれば、以下の項目にチェックするのがおすすめです。

回帰診断に必要な残差プロットやQ-Qプロットの出力を指定していきます。


▼ 結果の外部出力方法

表が欲しい場合

  • 表の上にあるタイトルをクリック →「コピー」
  • ExcelやPowerPointに貼り付けてそのまま編集・保存

グラフが欲しい時

  • 表の上にあるタイトルをクリック →「コピー」
  • ExcelやPowerPointに貼り付けてそのまま編集・保存

※グラフのタイトルをクリック →「画像を名前を付けて保存」で好きなフォルダに保存することもできます。

結果全体をまとめてほしい時

  • 左側メニューの「結果」タブをクリック
  • 「結果のエクスポート」→ PDFかhtmlで保存可能

▼ 学会・ジャーナルでの記載例

この節では実際に学会やジャーナルで発表をする場合の記載例について紹介します。重回帰分析の結果を論文に書くとき、自己流で書くと査読で指摘される原因になります。

回帰分析を含む統計手法そのものの報告基準としては、EQUATOR Networkに掲載されているSAMPL(Statistical Analyses and Methods in the Published Literature)ガイドラインが広く参照されています。ただしSAMPLは統計手法の書き方に特化したものなので、観察研究としての研究デザイン(対象者選定・交絡因子の扱いなど)については、**STROBE声明(Strengthening the Reporting of Observational Studies in Epidemiology)**と組み合わせて使うのが一般的です。

今回は、この2つのガイドラインを参考にした『重回帰分析(関連分析)』の記載テンプレート(日本語・英語)を用意しました。ご自身の解析結果の数値に置き換えてご利用ください。

原典を参照したい方用にリンクを置いておきます。

日本語版(英語版は下の方にあります。)

方法(Methods)

退院時FIM(FIM_discharge)に関連する要因を検討するため、年齢(age)・発症時FIM(FIM_onset)・発症時MMSE(mmse_onset)に加え、年齢と発症時MMSEの交互作用項(age × mmse_onset)を説明変数とした重回帰分析を行った。分析にはJASP(Version 〇〇)を使用した。説明変数間の多重共線性はVIFを用いて確認し、いずれもVIF < ○○であったため問題ないと判断した。残差プロット(残差と予測値の比較、Q-Qプロット)により線形性・等分散性・正規性の仮定を確認した。欠損値を含む症例は○○件あり、リストワイズ除去により対応した。

結果(Results)(有意だった場合)

重回帰分析の結果、モデル全体は統計的に有意であった(F(○○, ○○) = ○○, p = ○○, R² = ○○, 調整済みR² = ○○)。各説明変数の標準化されていない回帰係数(B)、95%信頼区間、p値は以下の通りであった:発症時FIM(B = ○○, 95% CI [○○, ○○], p = ○○)、年齢(B = ○○, 95% CI [○○, ○○], p = ○○)、発症時MMSE(B = ○○, 95% CI [○○, ○○], p = ○○)、年齢×発症時MMSEの交互作用項(B = ○○, 95% CI [○○, ○○], p = ○○)であった。

※各説明変数の相対的な影響力の大きさを比較したい場合は、標準化回帰係数(β)を参照してください。

結果(Results)(有意でなかった場合)

重回帰分析の結果、モデル全体は統計的に有意ではなかった(F(○○, ○○) = ○○, p = ○○, R² = ○○)。各説明変数のいずれも退院時FIMとの間に統計的に有意な関連は認められなかった(すべて p > 0.05)。

※交絡因子の調整方法や対象者の選定基準についても、STROBE声明に沿って別途「対象と方法」セクションに明記することが推奨されます。この点は交絡因子とは?の記事もあわせてご参照ください。

英語版(折りたたまれています。以下をクリックして開いてください。)

Methods

To examine factors associated with FIM score at discharge (FIM_discharge), a multiple regression analysis was conducted with age, FIM score at onset (FIM_onset), and MMSE score at onset (mmse_onset), along with the age × MMSE at onset interaction term, as explanatory variables. The analysis was performed using JASP (Version 0.98.1). Multicollinearity among explanatory variables was assessed using the variance inflation factor (VIF), and all values were below ○○. Residual plots (residuals vs. predicted values, Q-Q plot) were examined to confirm the assumptions of linearity, homoscedasticity, and normality. Cases with missing data (n = ○○) were handled using listwise deletion.

Results (有意だった場合)

The overall regression model was statistically significant (F(○○, ○○) = ○○, p = ○○, R² = ○○, adjusted R² = ○○). Unstandardized regression coefficients (B), 95% confidence intervals, and p values for each explanatory variable were as follows: FIM at onset (B = ○○, 95% CI [○○, ○○], p = ○○), age (B = ○○, 95% CI [○○, ○○], p = ○○), MMSE at onset (B = ○○, 95% CI [○○, ○○], p = ○○), and the age × MMSE at onset interaction term (B = ○○, 95% CI [○○, ○○], p = ○○). These results indicate that FIM score at onset was significantly associated with FIM score at discharge. Where the relative strength of association among explanatory variables is of interest, standardized coefficients (β) should be consulted rather than B, as the explanatory variables differ in scale.

Results (有意でなかった場合)

The overall regression model was not statistically significant (F(○○, ○○) = ○○, p = ○○, R² = ○○). None of the explanatory variables, including the age × MMSE at onset interaction term, showed a statistically significant association with FIM score at discharge (all p > 0.05).

まとめ

JASPを使えば、プログラミング知識不要で重回帰分析に必要な指標をすべて一括で出力できます。
初めての方でも、60秒で回帰分析と診断が完了するシンプルな操作感をぜひ体験してみてください!

学会やジャーナルでの発表にはSAMPLやSTROBEに沿った報告が推奨されます。ぜひご活用ください。

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