時系列分析統計

医療データにも活かせる「時系列分析」とは?

時系列データ分析 テーマ 時系列分析

~時系列分析ってなんだろう~

はじめに

病院やリハビリの現場で毎日溜まっていく色々なデータ。
たとえば血圧や脈拍、歩行中のセンサーの動き、病棟の入院患者数…などなど。

従来の統計解析では、データの特徴量を抜き出し、エクセルなどで扱える表形式に置き換えてから解析するのが一般的かと思います。これらのデータを時間的な前後関係を保ったまま解析できたら面白いな、と思い時系列データ分析について調べてみました。


この記事では、まずその時系列分析の概要をご紹介。
次回は、基礎的な時系列分析のモデルである「ARMAモデル」や「SARIMAXモデル」についても触れていきます。


時系列分析って?

一言でいうと、時間の流れとともに変わっていくデータを分析する方法です。

普段、医療や介護の統計ではこんなデータを使うことが多いですよね:

📊 よくあるテーブル形式のデータ

ID年齢診断退院時FIM
178脳梗塞82
270大腿骨骨折66

この形式だと、患者さんごとの情報をまとめて比べるのに便利です。
ただし、「時間の変化」は見えてきません。


⏳ 時系列データってこんな感じ

時刻血圧
8:00130/80
9:00132/78
10:00128/76
11:00140/84

このように、同じ人のデータを、時間の順番で並べたものが時系列データです。
この並びをそのまま使って分析できるのが、時系列分析の強みです。


どんなところで使える?

👨‍⚕️ 医療や福祉の現場では…

  • バイタルサインの変化を追う
    → 血圧・脈拍・体温などのデータを分析して、急変の兆しを見つけたり、日内リズムを調べたりできます。
  • 入院患者数の未来を予測する
    → 月ごとの患者数のデータを使って、来月や半年後の患者数を予測。ベッド数の調整やスタッフ配置にも役立ちます。

💼 他の分野でもたくさん使われています

  • 商業分野:お店の来店者数や売上予測・・・等
  • 工業分野:設備の異常検知・・・等
  • 金融分野:株価や為替の予測・・・等

時系列分析とふだんの統計、何が違うの?

一般的な医療統計時系列分析
見るところ1回きりのデータを比べる時間の流れそのもの
データの形テーブル形式(行=人)時間軸に沿った連続データ
よく使う方法グループ比較、相関、回帰などトレンド分析、予測、異常検知など

時系列データならではの“いいところ”

  • 📈 未来を予測できる
    → 入院患者数の予測
  • 🕵️‍♀️ いつもと違う変化を見つけられる
    → 血圧の急な上昇などをキャッチするのに役立ちます。
  • 🔄 波のようなリズムを分析できる
    → 午前と午後で変わるパターンや、歩行データなどに適用できます。

おわりに:次回はもう一歩踏み込んでみます!

今回は「時系列分析ってそもそも何?」というテーマで進めてきました。

今後は、実際に広く使用されている時系列分析のモデルである「ARMAモデル」や「SARIMAXモデル」についても紹介していきます。時系列分析について興味の出た方は、ARMAモデルの記事SARIMAXの記事もご覧ください。

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