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マイクロビットで子どもと出来る電子工作!価格・できること・作品例まとめ

マイクロビットで子どもと出来る電子工作!価格・できること・作品例まとめ 電子工作

はじめに

以前購入したマイクロビットという電子基板が素晴らしかったので紹介します。

まず結論から。
初めての電子工作なら、マイクロビットは超オススメです!

すでに「電子工作を始めたくてうずうずしている人」は、この記事を読むより先にマイクロビットを買ってしまいましょう。買って何を作るか考えた方が、はるかに効率的です。

ここから先は、「ちょっと気になるけど、まだ迷っている」という方に向けた内容です。この記事を読むと、

  • マイクロビットとは何か?
  • なぜ電子基板の中でもマイクロビットがオススメなのか?
  • マイクロビットで何ができるのか?
  • マイクロビットの使用の一例

が分かります。

マイクロビットとは?

マイクロビットは、イギリスの公共放送局 BBC(日本でいうNHKのような存在) が教育用として開発した電子基板(マイコンボード)です。現在は Micro:bit教育財団 が中心となって開発・普及を進めています。

特徴として、

  • 基板上にあらかじめセンサーやLEDが搭載されている
  • ボタンやタッチセンサーも備え付けられており、追加部品がなくても遊べる
  • プログラミングでゲームやセンサー動作がすぐに試せる

といった「電子工作初心者でもすぐに触れる」設計がなされています。

マイクロビットの価格と入手方法

マイクロビットの価格は比較的リーズナブルです。

  • micro:bit v2 本体:2,500〜3,000円前後
  • スターターキット(電池ボックスやUSBケーブル付き):3,000〜4,000円程度

最近見かけませんがMicro:bitの旧バージョンも存在します。特にこだわりが無ければMicro:bit V2以降にしましょう。おすすめはパソコンから離しても使える電池ボックス付きのタイプです。

Amazonや楽天、スイッチサイエンスのような電子部品のお店で入手できます。
「電子工作キット 初心者」「電子工作 入門 キット」として販売されていることも多いです。

👉 参考:micro:bit 公式サイト

マイクロビットなら回避できる電子工作の三つの壁

・第一の壁:部品が無くて何もできない

ArduinoやESP32などの一般的なマイコンボードは、基板単体ではほとんど何もできません。入力や出力に必要な部品を買い足す必要があり、場合によってははんだ付けも必要です。部品を買う場合は動作電圧・コネクタの種類などの確認もしなければなりません。

一方マイクロビットは、センサー・LED・スピーカーなどが最初から搭載されています。「とりあえず触ってみたい」段階なら追加購入なしで電子工作を始められるのが大きなメリットです。

(参考:M5Stackという電子基板もボタン・液晶付き・Bluetooth付きで便利ですが、8,000〜10,000円程度と少し高めです。)

・第二の壁:回路作成に関するミスで動かない

一般的な電子工作では、ボタンを押してLEDを光らせるだけでも LED・ボタン・抵抗・ジャンパワイヤ・ブレッドボードを組み合わせる必要があります。接続を間違えると「動かない」だけでなく、基板や部品が壊れることもあります。

マイクロビットは部品が基板に直付けされているため、回路ミスによる挫折を回避できるのもポイントです。また、回路の接続自体が正確でも、ワイヤの断線などで接続が不安定なこともあります。

私自身、抵抗を入れ忘れてLEDを「こんがり焼いてしまった」、「圧着(電線に接続ピンをつなぐ方法の一つ)の不良で、20分ぐらい作業が進まなかった」といった経験があります。

 特に電子工作をするのがお子さんの場合は、注意不足や部品の誤った使用をやりがちだと思います。せっかくワクワクしながら始めたのに、電源を入れても全然動かない・・・、これでは電子工作が嫌いになってしまいます。

マイクロビットであればこのようなミスによるがっかり感・徒労感を避けることが出来ます。

・第三の壁:プログラミングがしんどい

電子基板は部品を接続するだけでは動かず、入出力の処理方法をプログラミングで指示する必要があります。これが電子工作の大きな壁となっています。

一般的なIDE(制御コードの編集ソフト)を使用したプログラミングでは、ポートの指定、ボード種類の指定、通信レートや出力形式など、多くの設定が必要です。これを間違えると通信不良や文字化けなどの不具合が生じます。

一方、マイクロビットは公式ページに豊富なサンプルプログラムが用意されており、書き込むだけで簡単に動作します。また、お子さんにも親しみやすいビジュアルプログラミングにも対応し、ブロックを組み上げるように直感的にプログラムを作成できます。データ取得から出力まで扱いやすい形でサポートされています。

ビジュアルプログラミングは以下のようなものです。画面上でアイコンを動かしていくと、プログラムが自動的に生成されます。プログラムのコードこそ書かないものの、プログラムをするために必要な順序だてた思考を楽しみながら身に着けることが出来ます。

マイクロビットのセンサー一覧

マイクロビットは以下のような多数の入出力を備えています。また、小さなメモリーもついている為、取得したデータを電源を切った後も保持できます。そのため買ってすぐに楽しむことが出来ます。

センサー(入力)

  • 加速度センサー: 加速度を検知します。プログラムにより傾きや動き、落下を検知します。
  • 温度センサー: 基板に搭載されたCPUの温度を計測することで、おおよその周囲の温度を推定します。
  • 光センサー: LEDマトリックスを光センサーとしても利用し、周囲の明るさを計測します。
  • 地磁気センサー(コンパス): 磁場を検知し、東西南北を調べたりできます。磁石と組み合わせると、扉の開けっ放しアラームなどを作成できます。
  • マイク(v2のみ): 音の大きさを計測できます。
  • ロゴ部分のタッチセンサー(v2のみ): マイクロビットのロゴに触れると、タッチを検知します。
  • ボタン: 基板上の2つのボタン(AとB)を押したことを検知します。特定の動作の開始・終了の合図にも使用できます。

出力

  • LEDマトリックス: 5×5の25個のLEDを点灯させて、文字やアニメーション、グラフなどを表示します。
  • スピーカー(v2のみ): 音や音楽を再生できます。
  • 無線通信(Bluetooth、Radio): 他のマイクロビットやデバイスと無線で通信し、データを送受信できます。

何が作れる?

公式サイトには初級〜上級まで100件以上のサンプルプログラムが用意されています。マイクロビットは「遊びながら学べる」作品例が豊富です。
👉 公式サイトのサンプルページはこちら

以下の画像は公式サイトからのキャプチャです。

こちらは初級編です。

こちらは上級編。

他にも多数の作品サンプルがあります。

ゲーム系

  • 電子サイコロ(1〜6の数字をランダム表示)
  • 迷路ゲーム(加速度センサーで操作)
  • 鬼ごっこや通信ゲーム(無線機能を活用)
  • 簡単な「テトリス」「パックマン」「マリオ風」ゲームも作れる

👉 キーワード例:「マイクロビット ゲーム 作り方」「マイクロビット テトリス」

音楽系

  • LEDと連動して音を鳴らす電子ピアノ
  • 「ファミマ入店音」や「マリオ」などを再現する音楽作品
  • 自作のメロディをプログラムして演奏

生活・実験系

  • 明るさで点灯する常夜灯
  • 歩数計(加速度センサーでカウント)
  • 方位磁石(磁気センサーを利用)
  • 温度計(温度センサーを利用)

また、2024年末にマイクロビットの公式ページで、加速度センサーを使用した機械学習がサポートされました。これにより、取得した加速度データから動作を推定する、といった実験を行うことが出来るようになりました。子どものうちにここまで出来たら、ちょっとしたデータサイエンティストですね。

マイクロビットで学べるプログラミング

マイクロビットの大きな魅力は、プログラミング学習 にも使えることです。初めのうちは「スクラッチ」と呼ばれる、ブロックを組み上げるような形式のプログラミングでマイクロビットをコントロールするといいでしょう。

いつでも本格的な文字によるプログラミングに切り替えることも出来ます。プログラミングにはPython(データサイエンス分野で人気)やJavaScript(web関連で人気)も利用できるため、今後の学びにもつながりやすいと思います。

  • ブロックプログラミング(Scratch風で直感的)
  • JavaScriptやPythonによる本格的なコード記述
  • iPadやPCから簡単にプログラムを書き込み可能

初心者はブロックエディタから始めて、慣れてきたらPythonに挑戦するとスムーズです。

補足:Arduinoなどの電子基板でもScratchやPythonでのプログラミングは可能ですが、標準対応ではなく追加ツールを利用します。

オススメする人・しない人

この様にシンプルに電子工作の世界を楽しめるマイクロビットですが、何でもそうであるようにオススメできる人・オススメしない人がいます。

私の主観ですが、

オススメする人

  • 電子工作に興味はあるがハマるか分からない
  • 道具がほとんどない
  • 複雑な作業で挫折しそう…

→ マイクロビットは 「手軽に体験できる」 のが最大の魅力。初心者や子ども、大人の「お試し」にピッタリです。

オススメしない人

  • 作りたいものがはっきりしている
  • すでに電子工作の知識がある
  • 本格的にのめり込みたい
  • 「電子工作っぽさ(はんだ付けや配線作業)」を楽しみたい

→ この場合は ArduinoやESP32などの一般的なマイコンボードを選んだ方が幸せになれるでしょう。

まとめ

マイクロビットは、

  • 部品なしですぐに始められる
  • 回路ミスのリスクが少ない
  • プログラミングが直感的で簡単

という「電子工作初心者に優しい」マイコンボードです。

「ちょっと触ってみたい」ならマイクロビット。
「本格的にやりたい」なら他のボード。

自分の目的に合わせて選ぶと、電子工作がもっと楽しくなりますよ!

興味が出てきた方は・・・

興味が出てきた方はこちらの記事もご覧ください。

公式ページのサンプルプログラムを使用して、実際にマイクロビットに制御コードを書き込んで動かすところまで紹介しています。

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