今回の内容
今回は、無料の統計ソフト「JASP」を使って二元配置分散分析をたった50秒で実行します。
さらに+等分散性の検定+交互作用+単純主効果+多重比較+グラフ作成まで一気に行う方法を紹介します!
また、検定結果やグラフを外部出力する方法もあわせて紹介します。
JASPは操作がシンプルなので、統計が初めての方でもすぐに使えます!
JASPってなに?という方はこの記事でJASPの概要について紹介しています。
▼ まずはこちらのキャプチャ動画をご覧ください!(約50秒)
➡️ このように、たった50秒で、二元配置分散分析と等分散性の検定+交互作用+単純主効果+多重比較+グラフ作成まで一気にできます!
ではこれから具体的なやり方を見ていきます。
1全体の流れ
この記事では、次の流れで作業を進めます。
- データの準備
- JASPにデータを読み込む
- 二元配置分散分析を実行する
- 等分散性の検定、効果量算出、多重比較、グラフ作成
- 結果の出力
データの準備
まず、検定に使用するデータを準備しましょう。
JASPで二元配置分散分析を行うためには、次のような形式のデータが必要です。Excelなどのアプリケーションを利用してデータを作成します。エクセルファイルかcsv形式での保存がおすすめです。

この記事では要因1は3水準(Control・TreatmentA・TreatmentB)と要因2は2水準(Pre・Post)のデータを使用しました。データはプログラムで生成した架空の物です。
それぞれの要因を一つの列に記載し、結果をScore列に記載しています。
3元配置分散分析になったとしても基本は同じです。3要因目のデータ列を追加して、その列に軍の振り分けや条件の違いについて記載します。
💡 注意点
- CSVファイルで読み込む場合、列名やデータには日本語や全角文字を使用しないでください。必ず半角英数字で列名・データを入力してください。
- 列名は「group」や「Time」でなくても構いません。
例:treatment、age、SpO2、FIM など、自由に設定できます。
データの読み込み
JASPを立ち上げたら、左上の「三」メニューを開きます。
「コンピューター」→ 保存先からファイルを選択して、データを読み込みます。

二元配置分散分析の実行手順
1,上のメニューから「分散分析」→「分散分析」を選択

分散分析のメニューが開くと以下のような画面になります。

2,データ列を「従属変数」にドラッグ、Group/Time列を「固定要因」にドラッグアンドドロップ。

3、必要に応じて「仮定のチェック」「単純主効果」「事後検定」「記述統計量プロット」タブを開いて、変数の右枠内への移動と各項目へのチェックを行う。
「仮定のチェック」タブで等質性の検定を行うことが出来ます。
今回使用したデータでは分散の不均衡はありませんでした。もし、分散に差が見られた場合はウェルチの項目にチェックを入れて補正する必要があります。

今回のデータでは交互作用が見られました。単純主効果タブでgroup水準ごとの結果を出力します。

事後検定タブでは水準間の多重比較の設定を行えます。


チェックを行うとすぐに処理が始まり、処理が終わるとすぐに結果が表示されます。
結果の表やグラフを外部出力する方法
個別の表やグラフを保存したい時
- 表の上にマウスカーソルを載せると表示される「▼」マークをクリック
- 「コピー」を選択しWordやPowerPointに直接貼り付け

グラフの場合はグラフの上にマウスカーソルを持っていくと「▼」が表示されます。コピーを使用するほかに、「画像を名前を付けて保存」でも保存できます。

結果全体をPDFやHTMLで保存したい時
- PDFやHTML形式で結果全体を出力したい場合は、右側の出力欄の上部にある「結果」横の「▼」から「結果のエクスポート」を押します。その後ファイル出力用のダイアログでファイルの種類をHTMLかPDFから選ぶと保存できます。

※「結果」横の「▼」から「コピー」を選べば、表やグラフと同様に他のアプリケーションに貼り付けられます。
まとめ
JASPの使用によりシンプルな操作で、統計をかける方法をご紹介しました。
初めて統計ソフトを触る方でも、スムーズに検定~出力まで行えます。
ぜひ一度、JASPの「かんたん」を体験してみてください!
(最後に一言)
もし「うまくいかない!」というときは、
- ファイル名や列名が半角英数か?
- データ形式が適切か? をまず確認してみてくださいね。
他の統計手法も試してみたい方へ
最後までお読みいただきありがとうございました
本ブログでは、JASPを使ったさまざまな統計手法のやり方をまとめています。初心者向けに手法別でわかりやすく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。
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